2014年5月23日 (仮訳)日本で海水域から見出された新種Halosarpheia japonica Abdel-Wahab, MA. & Nagahama, T., 2012. Halosarpheia japonica sp. nov. (Halosphaeriales, Ascomycota) from marine habitats in Japan. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-010-0731-0 [Accessed May 22, 2014]. 【R3-00737】2014/05/22投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 神奈川県横浜市の八景島で流木から見出された菌を、Halosarpheia japonicaとして新種記載した。 本種は分子系統解析で狭義のHalosarpheiaクレードに含まれ、テレオモルフとアナモルフの系統的位置が一致した。 本種は子嚢胞子の極に、初め細胞の鞘に包まれ、水中で膨大して巨大な樹状となる1本の付属糸を持つことで特徴づけられた。 神奈川県横浜市金沢区八景島 (新種) Halosarpheia japonica Abdel-Wahab & Nagahama 語源…日本の 【よく似た種との区別】 Halosarpheia trullifera 子嚢果が大型 子嚢果が暗褐色~黒色 子嚢果が革質 子嚢果に長い頸部を持つ. 子嚢果の壁が厚く多層からなる LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢胞子が球形・類球形・卵形ではなく楕円形 本種と異なり子嚢胞子の極に1本ではなく2本の付属糸を持つ 本種と異なり子嚢胞子に1隔壁を持つ 本種と異なり子嚢胞子の付属糸が細胞の鞘に包まれたアモルファスの樹状ではなくゼラチン質の膜に包まれたコイル状 Halosarpheia fibrosa LSUおよびSSUに基づく分子系統解析でごく近縁 本種と異なり子嚢が消失性でない 本種と異なり子嚢胞子が球形・類球形・卵形ではなく楕円形 本種と異なり子嚢胞子の極に1本ではなく2本の付属糸を持つ 本種と異なり子嚢胞子の付属糸が細胞の鞘に包まれたアモルファスの樹状ではなくゼラチン質の膜に包まれたコイル状 本種と異なり子嚢胞子に1隔壁を持つ LSUおよびSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Halosarpheia unicellularis マングローブに発生する LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本ではなくエジプトに分布する 本種と異なり子嚢果の頸部に周糸を伴う 本種と異なり子嚢胞子が厚壁ではなく薄壁 本種と異なり子嚢胞子の付属糸が細胞の鞘に包まれたアモルファスの樹状ではなくゼラチン質の膜に包まれたコイル状 LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Moana turbinulata 同じハロスフェリア目に含まれる 子嚢胞子の形態が顕著に類似している 子嚢胞子が無色 子嚢胞子が単細胞 子嚢胞子の極に付属糸を持つ 本種と異なり子嚢果が褐色~黒色ではなくクリーム色 本種と異なり子嚢果の頸部に周糸を伴う 本種と異なり子嚢果の壁が厚壁多層ではなく薄壁単層 本種より子嚢のサイズが小さい 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子の付属糸が細胞の鞘に包まれたアモルファスの樹状ではなくリボン状で先細りになる Cirrenalia spp. 同じハロスフェリア目に含まれる 海生菌である アナモルフの形態が類似している 分生子が螺旋状 本種と異なり分生子が厚壁でない 本種と異なり分生子に異隔壁を持たない SSUに基づく分子系統解析で遠縁 (その他の分類学的知見および措置) ハロスフェリア目、特にHalosarpheia/Aniptodera属複合体における分類形質として、子嚢果頸部の周糸の有無、子嚢の消失性、子嚢胞子の極の付属糸の形態、隔壁の有無などが信頼性に乏しいことを示し、Halosarpheia属の属概念を修正した。